絶妙なタイミングで供されるこだわりの天ぷら
東京・広尾 天てんぷら うち津
丁寧にばらした大ぶりの脚身や胴身を、蟹味噌が詰まった殻にこんもりと盛って天ぷらに。そのアツアツの衣に甘めの熊本産のしょうゆを垂らして食べる、知る人ぞ知るひと品。蟹をほぐす手間はなく、身は箸ですっとつまめる快適さ。それなのにどうしても無口になってしまうのは、おいしいゆえん。殻ごと揚げることで甲殻類ならではの香ばしさが広がる。衣の中で風味や水分が適度に保たれるので、身は驚くほど甘く、ジューシーなまま。蟹を天ぷらにするという理由に、心から納得できる逸品だ。「うち津」では、店主の内津貴久さんがひとりで仕込みから揚げまでを担当する。8席のカウンター席では、内津さんの揚げの妙技が目の前で楽しめる。
毎日築地に行ってから食材を決めるため、コースメニューも前もって決めず、旬の素材を活かした内容に。それでも何度か出していくうちに噂となり“これぞ「うち津」オリジナル”と認識されるようになったのが、「蟹の天ぷら」だ。蟹は、北海道周辺の毛蟹が基本。極寒期ならば、日本海の香箱蟹(ズワイガニの雌)を揚げることもある。
Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Noriko Yokota
基本情報
記事更新/ 2012.12.18
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