店のスペシャリテ「テリーヌ」で旬の味を楽しむ
東京・代官山 レザンファン ギャテ
テリーヌ型と呼ばれる細長い容器に野菜や肉を重ね、食材のコンビネーションで多彩な味わいを表現するフランス料理「テリーヌ」。冬場ならジビエやキノコ、夏ならば鱧やアワビが「レザンファン ギャテ」のテリーヌの主役となるが、初夏ならば初ガツオのテリーヌを食べない手はない。日本の郷土料理である藁焼きカツオの風味が、フレンチのテクニックを介して、より豪華に、よりスタイリッシュに表現されているのだ。カツオは、表面を直火でこんがりと焼き、内部に爽やかさを残した状態。長ネギは焦がしたあと、ホイルで甘く蒸されている。これらの食材をコンソメゼリーで閉じれば、テリーヌはほぼ完成となる。皿の上で添えられるのが、桜チップでいぶした生クリーム。このクリームが絶妙なアクセントとなる。
クリームをテリーヌにつけて味わえば、クリーミィかつスモーキーな風味が口の中でふわ~っと広がり、初ガツオとのハーモニーになんとも幸せいっぱいの気分になる。美しく形作られたテリーヌ一枚のなかに、食材の良さや、シェフの技、日本とフランスの文化までもが、なんと色濃く表現されていることか。芸術とも称されるテリーヌを求め、足を運ぶ価値ある一軒だ。
Photo/ Kohei Nakamoto
Text/ Noriko Yokota
基本情報
記事更新/ 2012.4.18
※表示価格は税(5%)込み・サービス料別の表示です。
消費税率の変更により価格が変わる場合がございます。
※お支払いは、タカシマヤのクレジットカードをご利用ください。