名古屋の有名ホテルで経験を積んだ店主・鈴木良一さんが昭和47年にオープンしたお店。鈴木さんが、広島県尾道市出身であることが、店名「尾乃道」の由来。「炭火で焼くと嫌な脂が落ちて、肉の表面の香ばしさが強調されます」と手際のよい熟練の技で美しくお肉を焼き上げる鈴木さん。ステーキはすべて備長炭で直焼きを貫いている。牛肉は産地・銘柄にこだわらず、A5ランク以上のものを自ら吟味、2週間熟成させたものを使う。カウンターの奥で存在感を放つのは1100℃の高温にも対応できる特製のかまど。串を打った肉はここで10分ほどかけて焼くのだ。炭の遠赤外線効果で表面はパリッと中は蒸し焼きでふっくらとした仕上がりに。サシがしっかり入った肉も脂のしつこさはいっさいなく、旨みだけが強く主張する。

メニュー構成は昼も夜も同じ。ステーキのほかにコールドビーフやタンシチュー、魚介料理やカレーなども用意されている。初めてなら、予約時に予算（1万円～）を伝えておまかせにするのがいいだろう。5大シャトーから揃えた豊富なワインと合わせて、おいしいひとときを過ごしたい。

Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada