2008年に兵庫県の西宮、夙川駅のほど近くにオープンした本場、フランスのブルゴーニュ料理を楽しめるフレンチのレストラン「ル ベナトン」。気鋭の若きオーナーシェフ高谷慶さんは、地元夙川出身。ブルゴーニュ地方きっての名店「ル ベナトン」での４年間の修業を経て、日本で独立。修業先である星付きレストランから名前を継承するほどの実力の持ち主。ブルゴーニュ料理といえば、エスカルゴや、赤ワインを使った煮込み料理で知られるが、秋はやっぱりキノコが外せない。「修業先では、秋になるとよくキノコ狩りに出かけていました」と高谷シェフ。この時期にコースの前菜として登場するのは「季節のきのこのフランとホタテのカダイフ包み」。

国産やヨーロッパ産のキノコを使用し、ソースとして蒸しあげたフランと、帆立を細い麺状の衣“カダイフ”で包んで揚げた一皿。料理とお皿のユニークで美しいプレゼンテーションにも目を奪われる。地元の素材を使い、フランスの親しみやすい伝統料理をベースとしながらも、オリジナリティが光る新しいブルゴーニュスタイルを模索したいと高谷シェフは語る。

Photo/ Satoshi Yasukouchi
Text/ HEARST FUJINGAHO