大和大路通りに面した店は京らしい風趣で迎える

1935年に創業。春夏は鱧料理、秋冬はふぐ料理の名店として舌の肥えた著名人たちに愛されてきた「富久」。鱧の身から、頭・骨・内臓にいたるまで一匹まるごと生かした料理が味わえるのも専門店ならではの醍醐味です。主役の鱧は、ほどよく脂がのり、肉厚や骨・皮のやわらかさ、歯ごたえにおいて最高級品質の500グラム前後の天然ものを厳選して仕入れています。今回は人気の「はもしゃぶ昼コース」に「はも天ぷら」を組み込んだ特別な献立をご用意しました。

落ち着いた雰囲気の1階はカウンター4席とテーブル 8席

鱧の産地は、兵庫県淡路島、徳島県、韓国など時期によって替わります。お客様が召し上がる時間から逆算して鱧をさばき、冷蔵庫で熟成させることで極上のうま味を引き出します。小骨が多い鱧を調理するうえで重要なポイントとなる骨切りは、20年以上の経験を持つ熟練の料理人が担当。皮１枚のぎりぎりのところまで丹念に包丁を入れて供します。

鱧の骨切りには熟練の技がさえる

涼やかなガラスの器で登場する「はも3種造り」。骨切りした鱧にさらに細かく包丁を入れた「生」は噛むほどにほんのりと甘みが広がります。湯に落として氷で締めた「落とし」は美しく波打った身がひんやりと口当たりよく、梅肉をつけるとさらに爽やかな味わいに。両面を軽くあぶって冷やした「焼霜（やきしも）造り」は香ばしい風味とプリッと弾むような食感が楽しめます。

「はも３種造り」は生、落とし、焼霜造りをご用意（写真は一例）

骨切りした鱧に軽い薄衣をまとわせて揚げた「はも天ぷら」は今回、特別にご用意する１品（通常は追加料金にてご提供）。サクサク軽やかな衣の歯ざわりもよく、中の鱧はふんわりと口の中でほどけるようにやわらか。大葉や季節野菜の天ぷらとともに塩でお楽しみください。

「はも天ぷら」は、なすや大葉などの野菜を添えて（写真は一例）

「はもしゃぶ」の出汁は鱧の骨やアラ、店で削る鰹節、利尻昆布から引いたもの。お店の地下25メートルから湧き出るミネラル豊富な天然水を使用することで素材の滋味を丁寧に引き出します。うま味たっぷりの出汁に鱧の身をくぐらせ、身が白くくるりと丸くなったら食べごろ。スタッフがベストのタイミングに仕上げてご提供します。徳島産すだちをたっぷり使い、2日間熟成させた自家製ポン酢は清涼感あふれる香りと味わいで、繊細な鱧の風味を引き立てます。締めの雑炊まで名店の鱧づくしを存分にご堪能ください。

食べごろに変化する鱧を目でも楽しめる「はもしゃぶ」（写真はイメージ）

2階の個室「松の間」は4名様まで対応。ほかに6～8名様までの「竹の間」、3階には16名様まで入れる広間もご用意

二代目（左）の室田俊治（むろた としはる）さんと三代目（右）の敏弘（としひろ）さん
「鱧は高たんぱくで低カロリー、脂も上品でヘルシーな魚です。頭や骨で出汁や長年つぎ足してきたタレを作り、身・骨・内臓はさまざまな料理法でお召し上がりいただきます。鱧料理専門店でしか出合えない味わいをぜひお楽しみください」

Photo/ Katsuo Takashima
Text/ Sawako Yamada

〈美食百花 特別プラン〉

【期間】2022年8月1日（月）→9月30日（金）
※除外日／8月17日（水）・18日（木）、9月19日（月・祝）
【ご提供時間】ランチ12：30～15：00（ラストオーダー13：30）
【料金】お一人様11,000円　※税・サービス料込
※個室をご希望の場合は、別途個室料金（飲食料金の5%）を頂戴いたします。

コース内容
・付出し
・はも３種造り
・はも子
・酢の物
・はも天ぷら
・はもしゃぶ
・雑炊
・水物

※食材の入荷状況等により、内容が変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。

【ご予約・お問い合わせ】
TEL.075-561-0984（２日前までに要予約）
●受付時間／10：00～22：00
●受付人数／１～16名様
●定休日／日曜日（月曜日が祝日の場合は営業、月曜日が代休）※８月17日（水）・18日（木）はお盆休業

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