埋め込み型で素材を下から冷やす形式のケースを採用したカウンターで、お客様との距離が近づく

鮮やかな手つきで握られる鮨を間近に眺められるのも、カウンター席の楽しみ

1991年に独立した、店主の荻原龍也（おぎはら たつや）さん。旬の天然ものにこだわり、毎日自ら川崎の市場に足を運び、仕入れを行います。脂の甘みや魚の香りを生かしながら繊細に酢で締めた小肌は、常連のお客様に特に好評だといいます。本プランでは、メインの握りに幽庵焼きや自家製のカラスミなども味わえるコースをご用意。職人の繊細な手仕事が施された江戸前の醍醐味をじっくりとお楽しみください。

握りはもちろん、「鮨 逸喜優」の魅力は、店主が手をかけた一品料理が充実していること。写真は、香ばしく炙ったやりいかに、すだちの香りを添えています。今回はこのほかに、「梅くらげと自家製塩辛二点盛り」や「自家製からすみ」などもご提供。料理に合わせて、日本酒をオーダーするお客様が多いといいます。

「げそ塩焼き」（写真は一例）

この日登場した「季節の小鉢」は、白子ポン酢。白子の滑らかな食感や甘みとポン酢のさわやかな酸味が絶妙にマッチ。店主自らの目利きで選ぶ食材が主体となるので、内容は当日のお楽しみです。

「季節の小鉢」（写真は一例）

焼き物は「幽庵焼き」。写真は、ぶりを使用したものです。醤油とみりん、酒に漬け込み、隠し味としてすだちをきかせています。ふっくら香ばしく焼きあがった魚の脂のうま味に甘辛い風味、柑橘のアクセントのバランスが抜群です。

「幽庵焼き」（写真は一例）

荻原さんの目利きの厳しさは、魚だけではありません。静岡県天城の農家と契約し、大ぶりのもののみを仕入れるわさびを贅沢に用います。鮮度がよくおろしたてのわさびは、辛みだけでなく香り高さも格別です。

香り高さが好評な天城産のわさび

メインは、握り8貫。写真はトロやひらめ、まぐろ、ぶり、甘海老やほっき貝など。シャリは赤酢と米酢をブレンドします。「米酢ではインパクトが弱いけれど、赤酢だけだと強すぎる。貝の磯の香りや青魚の風味をやさしく引き出すため、うちではこの方法にしています」と荻原さん。さらに、江戸前鮨の醍醐味は、職人の繊細なひと手間が施されていること。塩と酢で締めた小肌やいわしは同店の看板ネタです。仕入れた素材の状態を見極め、酢で締める時間を秒単位で調整しているそう。味わってみると、しっかりした手仕事と魚のフレッシュ感の調和が見事です。握りは、漬物と味噌汁付き。味噌汁は、たっぷりの海老の殻で出汁を取っているので、濃厚な風味が味わえます。

「握り8貫」（写真は一例）

荻原龍也（おぎはら たつや）さん
「お客様に喜んでいただきたい一心で、つい手間のかかる一品料理を増やしてしまいます。今回は、そういった品々も織り込んでコースを構成しました。目利きはもちろん、よい素材に職人の技をプラスするのが江戸前鮨の醍醐味です。この機会に、弊店の味を皆様にご堪能いただけるよう、精一杯努めてまいります」

Photo/ Hiroaki Shinohara
Text/ Chinatsu Kimura

〈美食百花 特別プラン〉

【期間】2022年5月1日（日）→6月30日（木）
【ご提供時間】ランチ11：30～13：00最終入店
【料金】お一人様6,600円　※税・サービス料込

コース内容
・梅くらげと自家製塩辛二点盛り
・げそ塩焼き
・季節の小鉢
・自家製からすみ
・幽庵焼き
・握り8貫（味噌汁、漬物付き）
・ミニデザート

※食材の入荷状況等により、メニューが変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください。

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