SALONE TOKYO サローネ トウキョウ

郷土色も楽しめる、コース仕立ての洗練イタリアンこのプランは終了しています

東京・日比谷 SALONE TOKYO　サローネトウキョウ

イタリア料理は、郷土料理の集合体。20の州からなるイタリアでは、各地でそれぞれの郷土料理が楽しまれているため、南部の人は北部の料理を知らないということも珍しくありません。そんなイタリアの南部と北部でそれぞれに修業を積んだ2人のシェフがアイデアを出し合い、洗練されたコースを創り上げているのが「SALONE TOKYO」。数々の人気イタリアンを展開する「サローネグループ」の、東京の旗艦店です。

樋口敬洋（ひぐち・たかひろ）シェフ（右）と永島義国（えいじま・よしくに）シェフ（左）

2人のシェフがイタリアで修業した場所は、南はシチリア島やプーリア州、北はロンバルディア州やヴェネト州など。コースには、２カ月ごとにそうした各地の郷土色が取り入れられています。たとえば12月・1月のランチコースの１品目「茹でタコ 2018／シチリア」は、樋口シェフがシチリア島で感動したタコの食感を再現したもの。ミルキーなクリームの下に隠されたタコは、適度な歯応えと柔らかさがあり、噛むほどにタコの香りとうま味が広がります。

12月・1月のランチコースの１品目「茹でタコ 2018／シチリア」。クリームの上にはオレンジオイルが散らされている。料理名の「2018」は、樋口シェフがタコを茹でるのに最適な時間と温度を発見した2018年にちなんだもの

ランチコースは6皿（6,600円）または7皿（8,250円）の２種類があり、内容は２カ月ごとに替るスタイル。「パッパルデッレ猪のブラザートとカーボロネロ」は、12月・1月の２カ月間、どちらのランチコースにも登場する逸品です。「パッパルデッレ」はもともとヴェネト州でよく食べられている幅広の手打ちパスタですが、「SALONE TOKYO」では卵黄をたっぷり練り込んで贅沢に仕上げ、さらにポルチーニと魚介の出汁で和えて提供。猪の赤ワイン煮込みやカーボロネロ（黒いチリメンキャベツ）、カカオとじゃがいものチップスとともに味わえば、さまざまなうま味が調和し、豊かな風味が楽しめます。

12月・1月のランチコースのパスタ「パッパルデッレ猪のブラザートとカーボロネロ」。赤ワインで11時間煮込んだ猪はやわらかな食感。パッパルデッレは永島シェフが修業した北東部ヴェネト州でよく食べられる

12月・1月のランチコースの共通メイン「大沼牛のアッローストひよこ豆のクレマ」は、永島シェフが修業した南部プーリア州の食材を取り入れたもの。ソースのように皿に敷かれたクレマ（クリーム）の素材のひよこ豆や、付け合わせのチーマディラパ（菜の花のようなイタリア野菜）、ストラッチャテッラ（フレッシュチーズ）は、どれもプーリア州ではおなじみの食材です。北海道産の大沼牛はサーロインでも赤身の肉質で、さっぱりとした味わい。シチリア産トマトペーストと合わせたオレンジジャムの濃厚な甘酸っぱさや、ビエトラ（不断草）の葉で包んで焼いたチーマディラパとストラチャテッラの力強い風味がよく合います。

12月・1月のランチコースのメイン「大沼牛のアッローストひよこ豆のクレマ」。皿の手前の付け合わせ「スプーニャ」は、イタリア語で「スポンジ」を意味するとおりふんわりしたやわらかな食感で、焦がし小麦の香りが香ばしい。皿の右はシチリア産の濃厚なトマトペーストと合わせたオレンジのジャム、奥はチーマディラパとストラチャテッラをビエトラの葉で包んで焼いたもの

東京ミッドタウン日比谷の３階に位置する店内は、窓の外に日比谷公園の緑が広がる開放的な雰囲気。磨き込まれた銀色のカトラリーと金色の皿が並ぶテーブルセッティングも優雅で、観劇前後のお客様にも好評です。コースは２カ月ごとに替わり、2月１日には新しい内容に更新される予定。メニューが変わるたびに通いたくなる一軒です。