通りに面した重厚な扉が目を引く「三田牛竈炭火焼ウェスタ」は、希少な三田牛の炭火焼ステーキが楽しめるレストラン。店名の「ウェスタ」はローマ神話に登場する炎の女神の名前に由来しています。客席からも見える大きな竈では、まるで炎の女神が宿っているような紀州備長炭の圧倒的な高火力が、食材のうま味を短時間で閉じ込めています。

藤田嗣治（つぐはる）の絵画など、さまざまな美術品に彩られた店内は28席。鳥の目に似た木目が美しい「バーズアイメープル」材のテーブルは、広島県の府中家具作。2015年オープン

会員様のために特別にご用意した今回のランチは、通常3万円のコースに相当するお得な内容。席に着くと、まずは旬の魚介類やキャビア、トリュフなど、その日の前菜に使われる食材のプレゼンテーションが始まります。厨房の生簀（いけす）から揚げられたばかりの海老やアワビは、テーブルでも動いているほど鮮度抜群です。

その日の前菜に使われる食材がテーブルに運ばれると、新鮮な食材の美しさに期待が高まる。写真はかます、蟹、キャビア、トリュフ、海老、アワビ

前菜は２皿登場します。１皿目はアワビや甲殻類、高温で燻製をかけた自家製スモークサーモンなどの盛り合わせ。２皿目は、竈で焼いてうま味を閉じ込めた旬の海鮮です。

１皿目の前菜の盛り合わせ（一例）。キャビアをのせた冷製パスタ、蒸しアワビ、高温でスモークしたサーモンなど。前菜の後にはサラダが登場

兵庫県産の但馬牛を素牛とする三田牛は、細かく入ったサシの融点が低く、繊細で濃密なうま味が特徴。高温の竈と紀州備長炭で焼き上げるステーキは、表面はサクッと香ばしく、甘みを感じさせるような香りが閉じ込められています。

今回のプランでご賞味いただくステーキは、サーロインと赤身肉、各60gの盛り合わせ。「ウェスタ」では三田牛を牧場から直接一頭買いしているため、赤身肉は希少部位を含むさまざまな部位がそろいますが、当日焼かれるのはその日にいちばん状態のよい部位です。お肉の状態は日々変化するため、状態のよい部位は日によって異なります。

提供する三田肉流通振興協議会の指定生産者が32カ月以上肥育し、雌牛のみを出荷する希少なブランド牛。繊細な肉質と上品な甘み、香りが特長。開催当日はサーロインと赤身の部位を60gずつ盛り合わせて提供（写真はサーロイン）

デザートは、北海道産搾りたて牛乳の自家製アイスクリームと、プリン、季節の果物の盛り合わせ。空気をたっぷり含んだアイスクリームは溶けやすいため、シェフ自らテーブルで盛り付けます。前菜からステーキ、デザートまで、心づくしのフルコースをご堪能ください。

デザートは北海道産搾りたて牛乳の自家製アイスクリームとプリン、季節の果物

シェフ　一宮宏行（いちみや・ひろゆき）さん
神戸出身。北海道ウィンザーホテル洞爺（とうや）料理長を経て、「神戸牛炉釜炭焼ステーキIDEA銀座」を立ち上げる。2015年より「ウェスタ」シェフとして活躍。「友人が牧場を経営していることもあり、三田牛は思い入れの深いブランド牛です。お客様により良い状態でご提供し、“幸せ”を提供するため、生産者と細やかな打ち合わせを重ねています」