冬の味覚がちりばめられた新春の献立

京都・高台寺へと向かう下河原通に店を構える「祇園にしかわ」。京都出身の店主・西川正芳さんは京都の有名料理店で経験を積み、2008年に独立しました。ひとつのコースに約70種類もの食材を使う献立は、京都らしい季節感あふれる仕立てで食通を魅了しています。今回は、3日間限定で人気のカウンター席をご用意いたします。通常は夜に供される懐石コース（全11品）を、ひと品ずつ西川さんの解説付きでお楽しみいただきます。

昔ながらの仕事が息づく数寄屋建築で迎える

「冬は温かい先付で、まず冷えた体を温めていただく。そんな日本古来から伝わるおもてなしの心を忠実に守りたいと思います」と西川さん。料理の基本となる出汁に使われるのは、八坂神社ゆかりの「美人の水」。超軟水で昆布の甘みがまろやかに引き出されます。御椀の主役、松葉ガニは間人（たいざ）から直に仕入れたもの。薄葛の中にすりおろしたかぶらを入れ、雪化粧に見立てた御椀は身も心も温まるひと品です。

御椀の一例より「松葉蟹とかぶらの雪中仕立て」

お酒を召し上がる方が悪酔いしないようにと、前半にお凌ぎをすすめるのもうれしい心づかい。ほっと小腹が満たされ、次の料理への期待が募ります。冬の食材をそろえた向付（造り）は、高級魚・クエの薄造りに、淡路島・由良の旨みが濃いウニを合わせ、野菜のなますを添えて彩りよく。魚の内容は日によって変わります。

向付の一例より、クエと淡路島・由良のウニに野菜のなますを添えて

八寸には、定番の鯖寿司、イクラと岩茸のみぞれ和え、子持ち鮎の有馬煮、栗きんとん、亀岡牛に黒皮茸の旨煮を添えたものなど約7品が並びます。うらじろのあしらい、柚子釜、つくばねや松ぼっくりをかたどった器など新年らしい趣をちりばめて。一見シンプルに見える料理の一つ一つに、素材を慈しむ丁寧な仕事が重ねられています。

新春らしい演出で供される八寸（一例）

「日本料理は、季節ごとの食材の変化を五味五感で楽しんでいただくもの。味や食感など、変化に富んだ献立づくりを心がけています」と話す西川さん。締めの食事は、カウンターの奥にしつらえた「おくどさん（かまど）」で炊くご飯。火力があるので、米がバチッと立っておいしく仕上がるのだそう。料理をひと通りいただいた後には、目の前で点てるお抹茶と甘菓子が用意されます。

店主の西川さんとカウンター越しの会話も弾む

西川さんは日本料理をいただく雰囲気づくりにも力を入れています。下河原通から植栽を施した石畳の路地、檜皮葺きの中門と進むアプローチもそのひとつ。茶の湯の世界観を表現した数寄屋造りの建物は2012年に改装したものです。網代の天井や上方に四角い竹をあしらったカウンターなど、細部にまで凝った造り。絶妙な灯りが織りなす陰影の美しさにも日本ならではの美意識が息づいています。新しい年の始まりを祝う、ハレのひとときにふさわしい一軒といえるでしょう。

通りから少し入る、このアプローチが京都らしい

店主 西川正芳さん
食材や器、しつらえで季節の変化を楽しんでいただけるのが、日本料理の醍醐味。京都らしい風情のなか、冬の味覚を盛り込んだ懐石料理でおもてなしいたします。

Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada

〈美食百花 特別プラン〉

【開催日】2018年1月16日（火）・17日（水）・18日（木）
【時間】12:00～14:00　※12：00一斉スタート
【ご優待】23,600円　※税・サービス料込

メニュー
・先付　・御椀　・お凌ぎ　・向付（造り） ・焼物　・八寸　・温菜　・ご飯　・甘菓子　・お抹茶　・フルーツ
※食材の入荷状況等により、メニューが変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。

【ご予約・お問い合わせ】
TEL.075-525-1776（満席になり次第終了）
●受付開始日／12月26日（火）
●受付時間／12:00～21:00
●受付／1名様～
●定休日／日曜日、月曜日昼（祝日の場合は翌日）、2017年12月25日（月）→2018年1月5日（金）、6日（土）は夜より営業
※2017年12月26日（火）→30日（土）は、電話予約を承ります。

※ご予約の際は「タカシマヤのカード会員である旨」をお伝えください。
※お支払いは、タカシマヤのクレジットカードをご利用ください。

※お席は、ご予約順にご案内いたします。
※キャンセルのご連絡は前日までにお願い申しあげます。それ以降はキャンセル料が発生いたします。