和の酒肴とともに洋食を楽しむ贅沢な自由
東京・京橋 きむら
当代の木邑芳幸さんで三代目となる「和洋料理 きむら」。その名のとおり、和食と洋食、両方を楽しめる珍しい店だ。もとは酒屋で、戦後すぐ料理店としての道を歩み出したという。昼はとんかつ定食をはじめとする洋食ランチ、夜はイカの塩辛や干物、季節の煮物といった和の酒肴に加え、「カニクリームコロッケ」「ヒレカツ」、5食限定の「ロールキャベツ」などの洋食が並ぶ。どれもよく知られたメニューだが、人気の秘密はその贅沢さ。例えば「カニクリームコロッケ」は、ホワイトソースの中にカニの身をたっぷり刻んだものに加え、下ごしらえのときに出たカニのエキスも入れることで、より風味豊かなものに仕上げている。さらに、エビを使った自家製のアメリカンソースをかけており、サクッとした歯応えとともにカニとエビの風味が口の中で混ざり合う。
「ロールキャベツ」は、箸でスッと切れるぐらいやわらかに煮込まれており、キャベツの甘みがしっかりと感じられる。店内では、カウンター席もある1階では好みの一品料理を、2階の個室ではコースをゆっくりと味わうことができる。いずれも昔ながらの和のしつらえが安らぎを誘う。接待に、仕事の後の一杯に――。今宵も和洋問わない自由な食の喜びを求め、多くの人が訪れている。
Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Ryoko Nakagawa
※昼はクレジットカード使用不可
基本情報
記事更新/ 2014.03.18
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