横浜駅西口にある、横浜ベイシェラトン ホテル＆タワーズ8階。エレベーターを降りると目に飛び込んでくるのは、横浜の西に見える富士山、箱根、丹沢の山並みを表現した日本庭園だ。この庭園を囲むように、ワンフロアそのままが“日本料理「木の花」”となっている。料理長の富田正己さんは、料理について「きっちりとだしを引き、素材を生かして丁寧に調理する――シンプルに基本を守ることを大切にしています。食材は、ブランドは問わず、あくまで味と質にこだわって選んでいます」と話す。1月のコース料理の一品、「細魚昆布締めと子持ち若布 菜種 煎り酒」は、サヨリを軽く昆布締めにして子持ちワカメを巻いたもの。梅干を日本酒に漬けて作る「煎り酒」をかけ、さっぱりと白身の旨みを引き立てた。旬のサヨリに菜の花を添えた、いち早く春を感じられる一皿だ。

「お客様は空腹だけではなく、心も満たしにいらっしゃるのですから、料理が美味しいのは当然として、サービスや雰囲気も重要です。『木の花なら、いつ誰と来ても、安心して特別な時間を楽しめる』と思っていただければ」と話す富田さん。旬を感じる日本料理ともてなしを求め、「木の花」には、リピーターが数多く訪れている。

Photo/ Kohei Nakamoto
Text/ Ryoko Nakagawa

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