2012年にオープンし、神楽坂で注目を集めつつあるレストランが、「リストランテ エノテカ ラウラ」だ。オーナーは、6年間イタリアに滞在して20州を渡り歩き、レストランからワイナリーまで、さまざまな食の現場に携わった馬場正人さん。渡航前には神楽坂の隠れ家的イタリアン「リストランテ アルベラータ」でフロアマネージャーを務めていて、界隈との縁も深い。「神楽坂は、下町情緒と古都のような風情をあわせ持つ街。特別な日に出かけたいと思える場所で、晴れの日に、おしゃれをして食事を楽しんでいただければ」と、馬場さん。供する料理は、イタリア各地の郷土料理をベースに、シェフのアレンジが加わった洗練のメニューだ。

春はサクラエビやホタルイカ、初夏には鮎など、四季のシンボルとなる日本の食材も積極的に取り入れている。旬の喜びが詰まったひと皿とともに味わえるワインは、イタリア産を中心に300種類ほど。ソムリエでもある馬場さんと交流のあるワイナリーを中心に揃えているので、そのストーリーを聞いてみるのも楽しい。イタリアの風土を思いつつ、季節の口福に舌鼓を打つ――そんな贅沢をかなえてくれる店だ。

Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Ryoko Nakagawa