囲炉裏を囲んでいただく元祖ぼたん鍋と京料理
京都・北大路 畑かく
「畑かく」の創業は大正7年。初代・角太郎氏は京都の御猟場・雲ヶ畑の宿の息子であった。「当時、猪肉はすき焼きで味わうことが多かったようです。京都市内の料亭というスタイルを意識して工夫を凝らし、元祖ぼたん鍋が生まれたと聞いています」と3代目の新造一夫さん。薬喰いといわれた猪肉をより洗練された形で提供しようと、薄く引いた肉を花弁に見立て、野菜で彩りを添えた盛り付けもはっとするほど美しい。猪肉は岡山や広島で獲れた3~4歳のほどよく脂が乗ったもの。鍋のベースは鰹と昆布のダシに白味噌。聖護院大根、セリ、ゴボウのささがき、白葱、椎茸、生麩など京らしい素材が使われる。まず、根菜類や肉が煮えたところでセリを入れ、そのシコシコとした歯触りとやわらかい肉を味わう。
ポン酢をつけると酸味が快く爽やか。食べ進むほどにまろやかな味噌が主張しはじめる。赤楽の鍋を囲み、気の合う人々と語らう時間はなんとも心地よいもの。旨みたっぷりのスープはご飯にかけて楽しむこともできるのでぜひお試しを。
Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada
基本情報
記事更新/ 2012.1.18
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定休日:月曜