和の心と日本の四季を映す、京懐石風フレンチ
京都・祇園 祇園おくむら
京都・祇園町、白川南通と四条通を結ぶ切通しに面したレストラン「祇園おくむら」。オーナーシェフは、京都・一乗寺の本店「西洋膳所おくむら」の創業者で父の真三さんのもとで研鑚を積んだ奥村直樹さん。お箸でいただく「京懐石風フレンチ」の草分けである本店の流れをくみながら、新たな味の創造を目指して腕を振るう。店内は「お客様とのコミュニケーションやライブ感を大切にしたい」と1階・2階ともにカウンターをメインにした造り。昼・夜各4コース用意された「おまかせフランス懐石」はフランス料理の手法と四季折々の和素材が織り成す独自の世界が楽しみ。冷製スープは前菜の中のひと品として、5月から9月末頃まで登場、「新じゃがの冷製スープ 鮎のリエット添え」は2015年の新作だ。
新ジャガイモをチキンベースで炊いて裏漉し、クリーム、牛乳でのばしたスープはさらりと口当たりがよく、優しい味わい。丸く浮いているのは京都の初夏に欠かせない香魚・鮎を焼いて裏漉し、バターと合わせて練り上げたリエット。涼感を誘うコンソメのゼリーとエストラゴンのフライ、鮎と相性の良い蓼の葉をオイルで煮出し風味を移したものをあしらってすすめる。ひんやり爽やかなスープに、鮎のほのかな苦みと旨みが加わり、蓼の香りが初夏らしい印象を残す。懐石料理のように少しずつ多彩な美味で綴るコース、作家ものなど和・洋とりどりに趣のある器づかいにも注目したい。
Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada
記事更新/ 2015.5.18
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