旬の素材を通じて季節を実感
京都・烏丸御池 岩さき(京都)
2007年のオープンから8年目を迎えた「岩さき」。こぢんまりとしたカウンターを中心にした店は昼・夜ともに完全予約制でもてなす。カウンター越し、鼻孔をくすぐる木の芽の香りとともに登場するのが「はまぐりと筍の鍋」。四季折々に工夫を凝らして供される鍋は開店当初、ひとりで厨房を切り盛りしていた岩崎義則さんが「より温かく、インパクトのある状態で提供したい」と炊き合わせの代わりに考案したもの。旬の素材を通じて季節を実感してほしいとの思いも込められている。まずは豪快に鍋ごと見せた後、ひとり分ずつ取り分けてくれる。主役の蛤は大きな殻ごと、タケノコも姿を生かした大ぶりで「鍋はコースのメイン、ボリューム感と迫力を演出したくて」と岩崎さん。
天然の蛤独特の淡いピンクがかった色、身が厚くぷりぷりとした弾力に富んだ食感を存分に楽しんでほしいと、このストレートな出し方に行き着いたという。ジューシーな貝の旨みとだしの滋味、タケノコの小気味よい歯触りが織りなす春ならではの一品は極めてシンプルでいて、素材の個性がくっきりと際立ち印象深い。春を迎えた喜びを五感で堪能できる。
Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada
※昼・夜各3組様限定、完全予約制
基本情報
記事更新/ 2014.02.18
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