2010年、京都・御所南にオープン。オーナーシェフの白石健一さんは、「ホテルニューオータニ大阪」や「ウェスティンホテル大阪」などで活躍してきた実力派だ。グランメゾンで経験を積んだシェフが目指したのは、普段使いできるフレンチレストラン。カウンターや床、戸に無垢材をあしらった店内は、常に温かい空気と活気に満ちていて、ふっと肩の力が抜けるよう。「フランス料理になじみのない方にも、気軽に楽しんでいただけるように…」と昼は手頃なランチから。夜はアラカルトやボリュームしっかりのセットメニュー、コースと楽しみ方は自在。記念日などのハレの日の食事にも、ワイン片手に軽くつまみを…という気分にも寄り添う、使い勝手のよい一軒である。

温前菜の「フォアグラと特製ベーコン 茸のソテー 半熟卵のフリット添え」はポーチドエッグのフライを割ってソース代わりにいただく、ユニークなひと皿。シェリービネガーの酸味がきいたキノコやベーコン、ポルト酒風味のフォアグラにとろりと絡む濃厚な卵黄がたまらない。フォアグラが入った和牛のハンバーグや冬場のブイヤベースなど、思わず笑顔がこぼれる気どらないメニューにワインも会話も楽しく進みそうだ。

Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada