「カフェコムサ 銀座店」に入り、まず目を引くのは、ショーケースに並ぶ色とりどりのフルーツタルト。マンゴーで作ったオレンジのバラが咲き誇り、カットされ、円形に並べられた艶やかなメロンは、まるで大輪の花を咲かせたかのよう。しかも、使われているフルーツは、重さは350g以上、糖度15度以上という厳しい基準をくぐり抜けたマンゴー『太陽のタマゴ』や、マスクメロンの最高峰とされる静岡県産の『クラウンメロン』といった質の高いものばかり。「こういったフルーツは、なかなかご自分で購入する機会がありませんが、こちらでは1ピースからお召し上がりいただけます。一番おいしい旬のフルーツを、気軽に楽しんでいただければ」と話すのは、広報の東條恵美さん。そんな「カフェコムサ」の柱となっているのが、「日本の文化と伝統美を追求したものづくり」だ。

多くの素材は、「フルーツプランナー」が生産地を訪れ、希少でこだわりのある国産フルーツを仕入れるほか、「『雲の上のバナナ』と『祇園辻利』抹茶のタルト」など、和の伝統食材を使った品も多い。タルトは、ココアパウダーで日本の伝統柄や季節の花をあしらった“お皿アート”で提供される。ドリンクには、福岡県八女市星野村の「伝統本玉露」をはじめ、厳選された日本茶もラインナップ。京都の「染司よしおか」の「植物染」によるテーブルクロスを使ったシンプルなインテリアも、和モダンなものだ。本当においしいフレッシュなフルーツの味わいと、心身にすっと馴染む和の落ち着き。ありそうでなかった組み合わせの、新しい形のフルーツ専門店だ。

Photo/ Kohei Nakamoto
Text/ Ryoko Nakagawa