地鶏を食べ込んでいくと、ひと口に「地鶏」といっても、さまざまな個性があることに気づくようになる。地鶏だからおいしいというだけではない。やはり「おいしい」と評判の地鶏には、育てる人の並々ならぬこだわりがあるものだ。「バードランド」の店主、和田利弘さんが見初めた「奥久慈軍鶏（しゃも）」は、ＪＡＳ法で定められた厳格な意味での地鶏を代表し、「全国特殊鶏（地鶏）味の品評会」で1位になった、地鶏界のサラブレット。生産組合によって、ひなの供給から、特別に配合した飼料の配達、鶏の出荷までがきちんと統制されている。茨城の自然のなかで悠々と育った鶏の肉は、健康的に締まり、味よし歯応えよし。

そんな地鶏を、もも肉、砂肝、ソリ、ボンボチ、手羽先など、焼き鳥の醍醐味である“部位ごとの食べ比べ”で楽しめるのが、地鶏焼き鳥の名店「バードランド銀座」だ。メニューを見れば、食欲をそそるオリジナル料理の数々が。ワインに合う「自家製レバーのパテ」から、吉田牧場のカチョカバロをあぶった「焼きチーズ」、締めの「軍鶏親子丼」に至るまで、店のスぺシャリテが目白押しだ。

Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Noriko Yokota