「スーツァンレストラン陳」は、“中華の鉄人”として高名な陳建一氏がオーナーを務める店。陳氏がオーナーの「赤坂四川飯店」と同じ高級四川料理を出すが、東京・渋谷という場所柄、よりモダンで遊び心のあるメニューとなっている。総料理長は菰田欣也（こもだきんや）氏。テレビの料理番組で見せる軽快で親しみやすい語り口で知っている人も多いだろう。菰田シェフは現在、「赤坂四川飯店」を含むすべての店の総料理長を務め、会長となった陳建一氏の味を支えている中心人物。多方面で活躍しているが、極力厨房に立つというスタンスを変えず、ここ「スーツァンレストラン陳」でも、ほぼ毎日腕を振るう。

菰田シェフがカード会員様にぜひ食べてほしいというのが、写真の「“魅惑の黒酢スブタ”スーツァンスタイル」と、「ふかひれの姿煮」。酢豚は、菰田シェフが“誰もが虜になるような甘酸っぱさ”にこだわり、バルサミコや米酢、鎮江香酢をブレンドしたオリジナル。脂と赤身のバランスがよい豚肩ロースを、一度も冷凍しない状態で仕入れているため、新鮮さと味の深みが抜群だ。火を通すと甘くなるタマネギはシャキシャキ感を残した生の状態で添えるなど、タレの甘酸っぱさを際立たせる計算もしっかりとなされている。 「ふかひれの姿煮」は、店によって味が違う中国料理の代表格。「ゼラチン質を引き出しながら自分の味を入れていくという、料理人の技術を感じてもらえる料理」と菰田シェフは言う。都会で進化した、モダンな四川料理を楽しみたいのなら、ぜひ「スーツァンレストラン陳」へ。勢いのある料理人が勢いのある料理を出し、多くのグルメを喜ばせている。

Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Noriko Yokota